「ハァ、ハァ......。......片方は簡易展開とはいえ、二神同時はキッツい。呪力すっからかんだわ......」息を切らして歌姫が呟く。右腕全体は炎症を起こしていて、見るも無慘な姿だった。繋がっていることが不思議なくらいだ。トロリ、と熱い液体が流れる。鼻血だ。先の戦いで傷つけた瞼の上の傷も開いたようだ。著物の襟も裂けており、その裂け目から柔かな丸みが見え隠れしている。緋色の袴は裾が裂けて、その下裾が裂けが裂けの下裾、その下裾は裾が裂けけて、その袴はらすす汚れた足が垣間見えた。足首の痛みが今更襲ってくる。ああもう、あちこちが痛い。「......遅いんだよ」
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