嘘!?なんで!?私が戸惑ってうろたえていると、カリム先輩は泣きそうな顔で、ごめんと呟く。どういうことなの?彼に問いかけようとした時、突然ガガガっと音割れのような不快音が響いた。<br><br>「無様だなぁカリム!貴様は決まりに従ってそのままその女と死ぬがいい。」<br><br>「アンタが黒幕か!姿を見せろ!」<br><br>カリム先輩は不気味に高笑いをしている音声に対して怒鳴るが、声の主は姿を見せない。この状況をどこかで監視しているようだった。<br><br>「まあ、このまま死んでいくのも不憫だからな。冥土の土産に、良いものを見せてやる。」<br><br>「は?え?うわ!服が変わってく…!」<br><br>「監督生!大丈夫か!?」<br><br>私の服がキラキラと光だした。そして全身を包むと、閃光とともに光が飛び散る。すぐに違和感を感じた。少し寒くなったお腹。そして、胸を飾る黄金の装飾。布面積が少なすぎる。<br><br>「な!なにこれ!?」<br><br>「それって、踊り子か?」<br><br>「え!?カリム先輩!見ないでくださいっ!」<br><br>急いで胸元を隠すが、下半身は隠しきれず足をもじもじさせるしかない。急いで自分の服装を確認する。多分、熱砂の国の踊り子の衣装なのだろう。首の後ろで紐を結ぶ水着のような形をしているが、胸の所にはジャラジャラと金の飾り物がきらめくデザインになっていて、胸の下からは金の装飾が何本も垂れ下がっている。下はTバックショーツの上に、左右の足の付け根からスリットが入ったデザインのロングスカートのみだ。しかも白い生地は素肌が見えるくらい薄く、脚の間にある布には金の鱗のような装飾が付けられていた。<br><br>「女の服はお前らがお題をクリア出来たら返してやる。だがカリム如きに、お前を抱くことができまいよ。」<br><br>「そんな、こと。」<br><br>ない、とは言い切れなかった。だって、明らかにカリム先輩の様子はおかしい。ブチっと音がした…多分通信が切れたのだろう。私は聞けなかった質問をカリム先輩になげかける。<br><br>「カリム先輩、その、ここから一生出れないってどう言うことなんですか?それにあの黒幕の態度…何かあるんですか?」<br><br>カリム先輩はバツが悪そうに目線を逸らして、そのままポツポツと続けた。<br><br>「俺の家は、結婚を誓った相手としかまぐわっちゃいけないんだ。だから、その、俺とヤるって言うことは、お前は俺と結婚しなきゃならないんだ。」<br><br>「ほ、ほう。」<br><br>噂には聞いたことがあった。熱砂の国では結婚するまでセックスしちゃいけないと。宗教上仕方のない事なんだ、と。けれど、それがなんで一生出られないに繋がるのか。もしかしてカリム先輩には許嫁がいる、とか?そう考えると、頭がクラクラする。勘弁してくれ。好きな人に許嫁とか、どこの漫画の世界だ。ああ、涙が浮かんできて、目の前が揺れる。<br>「けど、俺…」<br>「カリム先輩、もう、大丈夫です」<br>その先は聴きたくなかった。許嫁を大切にしているのだろう。だから私のことは、たとえ仕方なくても抱きたくないんだ。結論が出た瞬間、ギリギリまで溜めていた涙がボロボロと溢れる。<br>「えっ…ってお前!なんで泣いてんだ!?」<br>「泣いてなんかあ゛ないですっ」
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