頷いた。元々、天幕などの野営の準備はしている。この世界で旅をするというのはよほどお金に余裕がない限り、野宿は当たり前のことだ。現代社会で生きていた私などは、ホテルや旅館に泊まればいいとすぐ考えるけど、宿泊施設を利用できるのはそれなりに収入がある者だけ。専門の宿泊施設の数もそれほど多くはないし、少し大きな町にならないとない。宿泊施設がない場合は、だいたい皆教会に行く。教会で幾ばくかの喜捨をして空いている修行者用の宿坊に泊めてもらうのだ。私達の一行は、約80名ほどの大所帯だ。大きな街ではともかく、小さな町では分散したとしてもこれだけの人数が宿泊できる場所はない。昨日宿泊した町も小さく、私達は教会で休ませてもらい、騎士達は教会の周囲に天幕を張っていた。彼らにとって野営するのは当然の認識で、私達が我慢すれば問題ないことだった。
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